スマートフォンやタブレットが普及した現在、ゲームやYouTubeは中高生にとって非常に身近な存在となっています。友達同士のコミュニケーションツールになっているケースも少なくありません。
その一方で、
- 「気づくと何時間もゲームをしている」
- 「YouTubeを見始めると止まらない」
- 「やめるように言うと強く反発する」 など、対応に悩む保護者の方も増えています。
特に発達障害のある中高生は、脳の特性やストレスの感じやすさから、ゲームやYouTubeに強く惹かれやすい傾向があります。しかし、これは単なる“わがまま”や“怠け”ではなく、彼らの持つ発達特性が深く関係している場合があります。
今回は、その原因と、中高生という時期だからこそ大切にしたい関わり方について解説します。
1. なぜゲームやYouTubeに惹かれやすいのか?(特性別の理由)
〇 ADHD(注意欠如・多動症)傾向のある場合
ADHD傾向のある中高生には、「興味のあることへの集中力が非常に高い(過集中)」という特徴があります。
- 次々に新しい刺激が入ってくる: 映像や音の変化が多く、関連動画が自動再生されたりミッションが与えられたりするため、飽きずに「もう少し続けたい」となりやすいです。
- わかりやすい成功体験を積める: 「レベルが上がった」「勝てた」など、努力の成果がすぐに数字や画面に反映されます。学校生活で注意される経験が多い子どもにとって、自分の得意を発揮して自信や安心感を得られる大切な場所になっていることがあります。
- 気持ちの切り替えが苦手: 「もう終わりにしよう」と急に言われても、頭では理解していても気持ちが追いつかず、強いイライラや反発につながりやすいです。
〇 ASD(自閉スペクトラム症)傾向のある場合
ASD傾向のある中高生は、自分の好きなことに深く没頭しやすい特徴があります。
- 現実世界よりも予測しやすく安心できる: 学校では「空気を読む」「相手に合わせる」など大量の情報を同時に処理する必要があり、人間関係に疲れ果ててしまうことがあります。一方でゲームやYouTubeは、自分のペースで楽しむことができ、展開が予測しやすいため、現実世界よりも強い安心感を得られます。
- 「楽しい学び」の時間になっている: ゲーム実況、アニメ、鉄道、パソコンなど、好きなジャンルの動画を長時間見たり細かく調べたりすることは、本人にとって単なる遊びではなく、大切な学びの時間です。
- 大切なコミュニケーションツール: 周囲の友達がゲームやYouTubeの話題で盛り上がっている場合、完全に禁止してしまうと「会話についていけない」「孤立してしまう」という不安を抱くこともあります。
2. 中高生だからこそ大切にしたい「4つの関わり方」
思春期の中高生は、「自分を理解してほしい」「大人として扱ってほしい」という気持ちが強くなる時期です。一方的な制限ではなく、以下のポイントを意識してみましょう。
① 頭ごなしに否定せず、本人の「好き」に興味を持つ
「ゲームばかりして」「意味がない」と否定され続けると、子どもは心を閉ざし、親子関係が悪化してしまいます。「どんなゲームなの?」「何が面白いの?」と、まずは本人の好きなものに関心を持つ姿勢を見せることが、信頼関係の土台になります。
② ルールは「具体的」に、「本人と相談して」決める
「やりすぎない」「ほどほどに」といった曖昧な表現ではなく、以下のように具体的に設定します。
- 「21時まで」
- 「宿題が終わってから」
- 「平日は2時間まで」
このとき、親が一方的に押し付けるのではなく、「何時までなら守れそう?」「どうしたら朝起きられるかな?」と本人と一緒に決めることが大切です。自分で決めたルールの方が、納得して守りやすくなります。
③ 「なぜルールが必要なのか」を丁寧に説明する
中高生になると、「自分だけルールが厳しい」と感じることで周囲の友達と比べ、親への不満を募らせがちです。 単に制限するだけでなく、「睡眠不足になると学校で集中しづらくなるよ」「長時間の画面は疲れやすくなるから、体を守るために2時間までにしよう」など、本人が納得しやすい理由を丁寧に伝えていきましょう。
④ 生活全体のバランスを見て、できた部分を認める
ゲームの時間だけを問題視するのではなく、睡眠、食事、入浴、学校生活が送れているかなど、生活全体のバランスを見ることが重要です。
もし自力で時間を守れた時には、「今日は自分で切り替えられたね」「時間を意識してくれて助かったよ」と、できた部分を具体的に認めて褒めることで、自己管理の力が育ちます。
まとめ:大切なのは“禁止”ではなく“付き合い方”
ゲームやYouTubeは、発達障害のある中高生にとって、ストレス発散や成功体験の場であり、友達との繋がりや安心できる大切な居場所でもあります。
そのため、大切なのは単純に「やめさせること」ではなく、生活とのバランスを取りながら上手に付き合っていく方法を学ぶことです。
ゲームやYouTube以外にも、家族との会話、別の趣味、運動、友人関係、放課後等デイサービスなど、「安心して過ごせる居場所」を複数持てるようにサポートしていくことも、依存を防ぐ大きな一歩になります。
一方的に禁止するのではなく、「なぜ夢中になるのか」を理解し、「どうすれば生活と両立できるのか」を本人と一緒に考えていきましょう。


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