障害や発達特性のある子どもを育てる中で、こんな気持ちを抱いたことはありませんか?
- 「本当は親の私がもっと頑張るべきなのでは?」
- 「放課後等デイサービスを利用するのは甘え(手抜き)では?」
- 「もっと大変な家庭もあるのに、うちが頼っていいのかな…」
実際に、支援につながる保護者の方からは「申し訳ない」「周りに迷惑をかけている気がする」といった声を本当によく耳にします。
しかし、支援を受けることは決して特別なことでも、悪いことでもありません。今回は、保護者の方からよくいただく質問をもとに、「支援を受けることへの罪悪感」について一緒に考えていきたいと思います。
Q1. 支援を受けることに罪悪感を持つ人は多いのでしょうか?
A. はい。実はとても多くいらっしゃいます。
特に障害や発達特性のある子どもを育てる保護者の方の中には、「親なのだから自分で何とかしなければならない」「もっと頑張れば支援は必要ないはず」と考えてしまう方も少なくありません。
また、日本には昔から「人に迷惑をかけてはいけない」「できるだけ自分で頑張るべき」という強い価値観があります。そのため、支援を利用することに対して後ろめたさを感じてしまうことがあります。
しかし、子育ては一人で抱え込むものではありません。 支援を受けることは、責任を放棄することではなく、子どもにとってより良い環境を整えるための「大切な選択」なのです。
Q2. 放課後等デイサービスを利用するのは「親の手抜き」ですか?
A. いいえ、決してそのようなことはありません。
放課後等デイサービスは、子どもたちが安心して過ごし、さまざまな経験を積むための「福祉サービス(仕組み)」です。利用するお子さまやご家庭の理由はさまざまです。
- 友達との関わりを学ぶため
- 生活習慣を身につけるため
- 感情のコントロールを練習するため
- 家以外の「安心できる居場所」を作るため
また、保護者の方の負担軽減(レスパイトケア)も大切な目的の一つです。 親御さんが心身ともに疲れ切ってしまえば、家庭全体が苦しくなってしまいます。支援を利用することは、「子どもを預けて楽をすること」ではなく、「子どもと家族全員を支える仕組みを活用すること」と考えてみてください。
Q3. 「もっと大変な人がいるから…」と利用をためらってしまいます。
A. そのように周囲を気遣う方も多いですが、困りごとは人と比べるものではありません。
例えば、足を捻挫した人が「骨折した人の方が大変だから病院に行かない」とは考えませんよね。同じように、以下のような悩みもすべて、十分に支援を受ける理由になります。
- 毎日の癇癪(かんしゃく)対応が大変
- 学校や園とのやり取りに疲れている
- 将来への不安が大きくて眠れない
支援は「世界で一番大変な人だけが使うもの」ではありません。あなたが「困ったな」と思ったその時に、相談できる場所があることが何より大切です。
Q4. 支援を受けると、子どもが甘えてしまいませんか?
A. 心配される方もいますが、むしろ安心できる環境があることで、本来の力を発揮しやすくなります。
専門の支援の場では、以下のようなステップを本人のペースに合わせて行います。
- 気持ちを言葉で伝える練習をする
- 友達との適切な関わり方を学ぶ
- 失敗しても大丈夫、という安心の経験を積む
支援は「何でも代わりにやってあげること」ではありません。その子に合った方法で、将来の自立に向けた成長を支えることが目的です。
Q5. 子どもよりも、親である「自分」が支援を必要としている気がします…
A. 実は、そのような声も少なくありません。そして、それで良いのです。
障害や発達特性のある子どもを育てる保護者は、周囲から見えにくくても、日々本当にたくさんの役割を一人で担っています。
学校との連絡、病院の受診、日々の送迎、家庭での特性への対応、将来への準備……。
だからこそ、保護者自身が休息を取ることは必要不可欠です。支援は子どものためだけではなく、「保護者が安心して笑顔で子育てを続けるため」にもあるものです。
Q6. 支援を受けることは、将来の自立を妨げませんか?
A. むしろ逆です。困ったときに適切な支援を受ける経験こそが、自立への一歩になります。
将来、子どもたちが社会に出たときに求められるのは、「全部一人で完璧にこなす力」だけではありません。
- 困ったときに、誰かに相談する力
- 必要なサービスを探して利用する力
- 限界が来る前に、周囲に助けを求める力(SOS発信力)
これらも非常に重要な「自立の形」です。子どもの頃から支援を受ける中で、「人に頼っていいんだ」「助けてもらいながら進めばいいんだ」と知ることは、大人になってからの大きな強みになります。
まとめ:支援は、家族と一緒に歩む“仲間”です
まず知っていただきたいのは、支援を利用するかどうかで悩むほど、あなたはそれだけ責任感が強く、お子さまのことを真剣に、大切に思っているということです。
しかし、「私が頑張れば何とかなる」「迷惑をかけてはいけない」という思いだけで抱え込み続けると、親子ともに苦しくなってしまいます。
支援は、親の代わりになるものではありません。家族と一緒に子どもの成長を支える“仲間”です。
一人で頑張るのではなく、必要なときに周囲の仕組みを頼る。 その選択は決して後ろ向きなものではなく、子どもと家族の未来を大切に考えた、とても優しくて前向きな一歩なのです。


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