てんかんとは?
てんかんとは、脳の細胞から異常な刺激対して何かしらのからだに症状が出ることを繰り返してしまう、脳の病気です。
私たちは手足を動かす時には、大脳が手足を動かすように電気刺激を出して、筋肉が収縮し、その通りに動かすことができます。
てんかん発作の場合には、病的な刺激のために、動かしたくないのに手足がぴくぴく動いたり、しびれたり、意識もぼんやりしたりしてしまうこともあります。
脳のどの部位に電気刺激が起こるかによっても症状がさまざまです。
てんかんは子どもから大人まで広い年代でかかる病気です。
小児てんかんの分類
小児てんかんの原因を以下3つに分類して解説していきます。
- 原因がはっきりしない特発性てんかん
- 脳になんらかのダメージがあることで起こる症候性てんかん
- 特殊な遺伝子異常でおこるてんかん
小児てんかん全体でみると、原因不明の特発性てんかんが多く、発症は生後から3歳までが多いとされています。
① 特発性てんかん
成長とともに発作頻度が減っていき、大人になるまでに治ってしまうこともあります。
② 症候性てんかん
1歳までに発症することが多く、お母さんのお腹にいる間や生まれてくる時になんらかの原因で大脳の一部が傷ついて、それが原因になることがあります。
また、生まれつき脳の奇形や代謝異常、生まれた後に起こった髄膜炎や脳炎、外傷などによる脳損傷が原因になることもあります。
③ 特殊な遺伝子異常で起こる小児てんかん
最近研究が進んで原因となる遺伝子が特定されつつあります。
現在原因遺伝子がわかっているてんかんとしては、常染色体優性夜間前頭葉てんかん、家族性側頭葉てんかん、太田原症候群、Dravet症候群などがあります。
あわてないで! 発作が出た時のポイント
発作が出たときのポイントは以下の3つです。
- 安全な場所に移動させる
- 息がしやすいように服を緩め横を向かせる
- 5分前後しても発作が自然に改善しない時は救急車を呼ぶ
お子さんのてんかん発作が起こると、普通は焦ってしまいますよね。
やるべきことが事前にわかっていれば、少し落ち着いて行動できそうですよね。
ぼーっとしたり、手足がビクビク動いていたりする場合、倒れたり周りのものにぶつかってしまい、それが原因で怪我をしてしまうことがあります。
まずは、焦らずひと呼吸して落ち着いて、お子さんを安全な場所に移動させましょう。
特に屋外の道路などで起こってしまった場合には、事故につながる可能性もあります。
屋外での発作時は安全な場所に移動するのは、非常に重要なポイントです。
てんかん発作が起こっても、息がしっかりできていれば緊急の問題はありません。
首もとの詰まった服などは息がしにくくなることもあるので、できればボタンなどを外して緩めましょう。
服を脱がせる必要はありません。
意識を失って吐いてしまうこともあります。
上を向いていると吐いたものが口に溜まって誤って吸い込んでしまうことがあります。
そうならないように、余裕があれば、横を向かせましょう。
横を向くと、気道も広がって息もしやすくなります。
よく、てんかん発作時に息ができるように口をこじ開けてハンカチ、タオル、はしやスプーンなどを噛ませると思っている方がいますが、こちらはしてはいけません。
口に異物を入れると余計危険になってしまいます。
息が止まってしまっている、首もとを緩めても息苦しさが改善せず顔色が悪くなっている場合は緊急性が高いため、すぐに救急車を呼びましょう。
てんかん発作の持続時間を知ることは大切です。
時計などが手元にあれば、発作が起こった時間を確認しておきましょう。
数分以内に自然に発作が治って意識が戻れば、落ち着いてから病院を受診しましょう。
経過をみても治らない場合は、救急車を呼びましょう。
5分経たないと救急車を呼べない訳ではありません。
目の前でお子さんのてんかん発作が起こっての5分間は、非常に長く感じられると思います。
以下などの場合は5分待たずに救急車を呼んでください。
- 安全な場所に移して横を向けたりしても、発作がおさまらない場合
- 何度も発作が起きている場合
- 息をしていない場合
てんかんかも?と思い当たることがあれば、お近くの病院へご相談ください。


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