目次
1. なぜ小学生期からの生活スキルが大切なのか
小学生の時期は、「自分でできること」を少しずつ増やしていく大事なステップです。特に発達障害を持つお子さんにとっては、社会生活や将来の自立に直結するスキルを早い段階から繰り返し練習することが、安心や自信につながります。
支援の現場でも、「生活スキルの積み重ね=将来の自立の基盤」と考え、日々の活動に取り入れています。
2. 具体的に育てたい生活スキル
(1) 身の回りのことを整える力
- 着替えや衣類の管理:靴下をそろえる、上着をハンガーにかける
- 持ち物の準備:ランドセルに必要なものを自分で入れる
- → 支援例:視覚的にわかりやすい「持ち物チェックリスト」を活用
(2) 衛生習慣
- 手洗い・うがい:タイマーや歌を使って楽しく習慣化
- 歯磨き:鏡を見ながら順番を決めて磨く
- → 支援例:イラストカードを並べて「やる順番」を見える化
(3) 食事に関すること
- お箸やスプーンを正しく使う
- 食器を下げる・片づける
- → 支援例:お手伝いとして「食器運び」を取り入れ、役割を持たせる
(4) 時間の感覚
- 「あと5分」で動けるようになる
- 学校の時間割を理解する
- → 支援例:タイマーや絵カードを活用して「見える時間管理」
(5) お金の基本
- 10円や100円を区別する
- お店でお金を払う体験
- → 支援例:買い物学習(駄菓子屋や校外学習)で実体験を重ねる
3. 支援の工夫と改善ポイント
- 「失敗しない仕組みづくり」
例:持ち物を1か所にまとめる棚を用意する - 「見てわかる支援」
例:絵カードや色分けで理解しやすくする - 「やってみたくなる工夫」
例:ゲーム感覚で時間内に片づけるチャレンジにする - 「小さな成功体験を積み重ねる」
できたことをしっかり言葉でほめ、次のステップにつなげる
4. 保護者の方へのメッセージ
生活スキルは、一気に身につけるものではなく、日常の小さな積み重ねから育ちます。時には時間がかかることもありますが、そのプロセスこそが「自分でできる」という大きな自信につながります。
「できないこと」ではなく「できるようになってきたこと」に目を向けて、一緒に喜び合える時間を大切にしてください。
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