大人の発達障害について

目次

はじめに

発達障害というものは先天的な障がいであり、成人に達してから発症するということはありません。特性への理解や診断の加速など様々な要因もあり、「発達障害」という名前が世間一般でも認知されるようになり、お子様の特性に合わせ学校での対応や、放課後の療育施設への通所など様々な支援が拡大されるようになってきました。そのため、お子様に特性があると分かった時点から早期療育を行うことで、お子様が生活する上での障害を早いうちから解消していくことができます。しかし、大人になるまで症状に気付かず、その後診断を受け自覚するケースも存在します。認知されるようになり、新たに課題となっているのが「大人の発達障害」です。今回は、大人の発達障害についてお話していきたいと思います。

大人の発達障害とは?どんなことで躓く?

前述したとおり、発達障害とは先天的な物であり、大人になってから発症することはありません。しかし、症状の程度については人によって幅があるため、症状が軽度の場合は子供の頃の発達検査等では気づかれないまま過ごし、大人になるにつれ社会での生きづらさを感じている人も少なくありません。ADHD(注意欠陥・多動性障害)、ASD(自閉スペクトラム症)など特性によって様々ですが、いくつか例をお話ししたいと思います。

・仕事の優先順位がわからない
・指示された通りに行動することができない
・コミュニケーションがうまく図れない、社内の空気を読むことができない
・注意が散漫になりやすい
・片付けや整理が苦手
・周りの指摘にカッとなってしまいやすい

自身に悪気はなくても、社会で仕事をするとなると「いい加減」「やる気がない」「役に立たない」など社会での評価へ直結してしまいます。大人の発達障害は本人自身が自覚症状を持っていることが少ないです。そのため、周りからも理解を得ることが難しく、本人自身の報われない虚しさ、申し訳なさや劣等感を感じてしまいます。

うまく生活していくには?

認知が広がっている発達障害ですが、まだまだ社会で生活している大人の方たちは悩みを多く抱えているのが現状です。もし、職場において特性を抱えている職員がいたら、どのように接すればいいのでしょうか。まず、お互いに上手く接するためにまず重要なことは、ありのままを受け入れることです。特性を持っている方にとって、苦手としていることは努力によって解決するものではありません。指示をする際は、明確に、簡潔に指示をする、一度に多く伝えず、細かく分けて指示を出していくなど、接し方を気にかけてあげることが重要です。また、発達障害の方は「繰り返しの作業」を得意としていることが多いです。初期段階に十分なサポートをしてあげることで、その後の業務を円滑に運ぶことに繋がります。

大人の障害についてお悩みの方へ

「発達障害」という言葉が世間一般的な言葉になりつつあるため、理解が広まってきているように思います。しかし、同時にそれまで言葉に触れられてこなかった方が、社会に出て多くの悩みを持たれています。周りの理解を得ることに悩むことで、うつ病や精神疾患などの「二次障害」へとつながってしまいます。
診断を受けることは、決して否定的なものではありません。診断名を知ることにより、ご自身の抱えている悩みについて理由を知ることができます。また、ご自身の置かれている状況を他の方へ理解してもらうことで、環境による悩み軽減へと繋がったり、薬などによる治療を行うことで、ご自身の症状を和らげることもできるようになったります。お悩みの際は一人で抱え込まず、まずはお近くの精神科や心療内科のある病院・クリニックなどの医療機関で相談してみてください。

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