学習障害とは?LDとはなにかを解説します。
LDとは?
LDというのは、学習する能力が十分に発揮されないという状態という意味で、「学習障害」と呼ばれます。
子供の発達は個人差もあり、それぞれが一様ではありません。それが一人ひとりの個性をかたちづくっているとも言えます。しかし、個性的な状態であっても、家庭や学校、社会といった環境の中で、本人が不利を受ける事があります。LDという状態は、特に学習面で、特徴である学びにくさやつまずきやすさをもち、行動面でも友達等といろいろなトラブルを起こしがちな子供たちに対して使われる教育用語です。
学習面で不利を受けやすい状態というのはどういうことなのでしょうか。学習の基礎には、目や耳といった様々な感覚器官を通して入ってくる外界の情報を受けとめ、整理し、関係づけ、また目的にそった表出をするといった脳の認知過程(情報処理機構)が関係しています。そうした過程のどこかがうまくはたらかなかったり、調子のよくない部分があると、同じ教え方をしても、理解が悪かったり、定着しにくかったりしがちになるのです。
それは基礎的な学力(聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなど)のどこかに、その習得や活用上の困難とし表面化し、やがて教科のつまづきとして重度化していきます。こうした学習の困難さに対して、早期の適切な対応が遅れると深刻化し、やがて学習態度や意欲にも影響が波及し、学習のみならず、情緒や行動面など、さまざまな面で不適応を示すようになっていきます。
学習障がいのタイプと特徴
・読字障害(ディスレクシア)
文字を正確に読めない、読めたとしてもたどたどしかったり、片言のようになってしまうような症状です。また、読解力が著しく低いことがあります。
文字を読むことは困難ですが、同じ内容を耳から聞くとすんなり理解できることがあります。失読症とも呼ばれます。
・書字障害(ディスグラフィア)
「てにをは」が使いこなせなかったり、文字が鏡文字になってしまったりします。また、文字の大きさを揃えて書くことができず、作文用紙のマス目に文字を収めることができないなどの症状があります。
・算数障害(ディスカリキュリア)
数字の感覚がうまくつかめなかったり、数値を覚えるのが極端に苦手だったりします。読み書きには全く問題がないが、計算や推論だけが極端に苦手で、そもそも数字の概念がなかなか身につかないという困難を抱えているケースが多いです。
読字障害の場合、読むのが困難です。最初から無理に読ませるのではなく、聞いて覚えさせるなどの工夫をしてあげるようにすることが有効です。最近ではスマホでも読み上げ機能があったり、「聞く読書」のできるサービスもあります。こういった機能やサービスを活用することで、自ら進んで学習を進める意欲向上にも繋がります。
書字障害の場合、実は読みも苦手なことが多いです。ある程度読めるようになると書くことも少しずつ上達していきます。文字を書くことを強制的に覚えさせようとせず、文章の構成などを教えてあげて、文章を書くことの面白さを伝えてあげると良いでしょう。
算数障害の場合、問題数を減らしてひとつずつ丁寧に解くのが効果的です。学校ではドリル形式で時間内に数を解かせる事が多いですが、それでは考え方の理解が追いつきにくいです。わからない問題がある場合は答えを教えるのではなく、解答の筋道を教えてあげるようにしましょう。
やる気が無いわけではない!
LDは、学習意欲がないのではないかなど間違われたり、本人は真剣に取り組んでいてもその成果が結果に繋がらず学習が遅れてしまうこともあります。障害の特徴を理解し、配慮していく事が大切です。学校に相談し勉強方法を工夫してもらえるよう相談したり、専門機関、放課後等デイサービス等を利用していくこともできます。保護者と学校、専門機関が連携して子どもを支援し、子どもの生きづらさを改善していく環境づくりが大切です。
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