自閉症スペクトラムのこだわり行動について、「聞いたことがあるけど、それって悪いことなの?」「発達障害の子に現れる行動?」など、不安を抱く方も多いかと思います。ここでは、こだわり行動について、その特徴や対応方法などを紹介できればと思います。お子様の行動が気になる方はもちろん、子供と関わる機会がある保護者の方も参考にして頂ければと思います。
こだわり行動とは?
こだわり行動とは、特定のものに対する強いこだわりに基づいた行動のことです。こだわりが一般的な場合にはこだわり行動とは言いませんが、こだわる事柄が極端に多かったり、こだわりの程度が強く、日常生活に支障が出てしまう場合等を言います。
こだわり行動は、発達障害を持つ子供に現れやすい特徴です。発達障害に基づくこだわり行動は脳の発達異常からくると言われています。またこだわり行動は自律神経を整え、安心感を得ているとも言われています。
こだわり行動の特徴
こだわり行動の特徴としては、変化を嫌う傾向にあります。普段していることができなくなったり、初めての場所や環境に行った時に、極端に嫌がることがあります。また同じ行動パターンを繰り返すのも、こだわり行動の特徴です。1日の流れが自分の中で決まっていて、毎日同じルーティンで過ごさないと落ち着かない、毎回決まった方法で遊ぶなとがあげられます。同じように行っていることができなくなった時に極端に不安になる様子がみられます。
極端な好き嫌いがある場合も多いです。こだわり行動をする子供は、自分の好きなものや好きなことに対しては執着する一方で、それ以外のものに関しては一切興味を示しません。自分が興味のないことには一切取り組まない場合もあります。好きなことに関しての知識やスキルは秀でる一方で、それ以外のことに関わるのが難しい場合があります。1つの物事に高い集中力を持って取り組むことも多く、次の行動になかなかスムーズに移れないということがあります。予定されていなかった行動を求められたり、次の行動が興味のないことだと配慮が必要です。集団生活や外出時での予定変更の際などに、柔軟に対応することが出来ないことがあります。
なぜこだわり行動を起こすの?
こだわり行動の一例として、同じ服を着る、同じ食事(偏食)、同じ質問、返答、玩具も並べるといった規則性に基づく行動を起こしていることが多いです。それではなぜこだわり行動を起こすのでしょうか?それは先程も少し触れましたが、こだわり行動をする子供は同じ行動を繰り返すことで安心感を得ようとしています。行動を繰り返すということは、予測不可能な出来事が生じにくく、こうしたらこうなる、というのがあらかじめわかっているため、不安になることが少なくなります。
どんな対応が望ましいのか?
子供がこだわり行動をしていると、不安になる方も多いかと思います。しかし、こだわり行動の特徴がみられたからといってすぐに改善を図る必要はありません。決まった通りに物事を進めることが得意であったり、好きなことに対して高い集中力を発揮できるのは長所であるとも言えるからです。一方で、日常生活に支障が出るようであれば改善を考えることも必要です。
こだわり行動をする子供には、予定を前もって伝えることが大切です。こだわり行動をする子供は、予定にない出来事に対応することが難しいです。そのため、今日の予定を事前に伝えておくことで、その通りに行動しやすくなり、事前に予定がわかっていることで不安要素を減らすことができます。
段階的な変化を意識することで、こだわり行動が改善する場合もあります。こだわり行動を改善しようと思えばある程度の変化を受け入れてもらう必要があります。ここでポイントとなるのが、変化をなるべく小さくするということです。少しずつ行動を変化させていくことで、変化に対する抵抗を少なくすることができます。
まとめ
ここまで、こだわり行動について、紹介してきましたが、こだわり行動には様々な具体例があり、中には判断しにくいような行動もあると思います。こだわり行動だと思われる行動をするからといって、必ずしも発達障害であるとは限りません。まずはお子様の行動をよく理解し、こだわり行動について日常生活に支障はないか、その行動を含め、どのようにしたら日常生活を送ることが出来るのか考えることが大切です。
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