放課後等デイサービス × 校内教育支援センター 〜子どもを支える“学校と福祉”の連携〜

「放課後等デイサービス(放デイ)と学校って、ちゃんとつながっているの?」
「校内教育支援センターって、そもそも福祉とは関係あるの?」

そんな疑問を、保護者の方からいただくことがあります。

確かに、「放デイ」は児童福祉法に基づく福祉サービス、一方で「校内教育支援センター」は学校教育の中で設置される支援体制です。制度も所属も違うため、「別物」と捉えられがちです。

けれども、実際の現場ではこの2つが連携することで、子どもの成長や社会的自立に向けて、より豊かな支援が実現できるのです。

目次

放課後等デイサービス(放デイ)と学校、それぞれの役割

それぞれの役割を整理してみましょう

項目放課後等デイサービス(放デイ) 校内教育支援センター(サポートルーム)
所属制度福祉サービス(児童福祉法)教育(学校内の仕組み)
所属制度発達障害・知的障害などのある児童(6〜18歳)教室での生活が難しい児童(不登校・情緒的課題・発達特性)
活動の時間
放課後・長期休暇授業時間内
主な支援内容ソーシャルスキルトレーニング、遊び、生活・学習支援個別学習支援、安心の場の提供、教室復帰支援
支援者児童指導員・保育士・作業療法士・心理士等教員・支援員・スクールカウンセラー等

★詳しくはこちらの記事でも解説しています!!!!!!

【学校と放課後等デイサービス】役割の違いと連携による相互補完性

なぜ「連携」が大切なのか?

なぜ「連携」が大切なのか?
子どもを支える 5つの連携メリット

① 子どもの状態を“共通理解”できる

学校と放デイ、それぞれの視点で子どもを見ることで、「今の困りごと」「得意なこと」「うまくいった支援」などが立体的に見えてきます。
情報が共有されることで、支援のズレや誤解が減り、安心感のある関わりが実現します。

② 支援の“すき間”を埋められる

例えば、学校では学習面が支援されるけれど、放課後の時間に孤立してしまう…。
そんな時に放デイが加わることで、生活全体を支える視点が加わり、途切れない支援が可能になります。

③ 自立や社会参加への“ステップ設計”ができる

学校では「別室登校」や「週数回の登校」など段階的な対応がとられ、放デイでは「集団活動へのチャレンジ」や「個別の成功体験の積み重ね」など、異なる場面でのステップアップ支援が並行して行われます。
これにより、子どもの成長に合った柔軟な支援設計が可能になります。

保護者の相談先が増える・支援ネットワークが広がる

「学校には言いづらいことを放デイで相談できた」
「放デイでの様子を学校にも伝えてくれた」
そんな声をよく耳にします。
複数の機関が家庭と共にチームを組んで支えることで、保護者の孤立感も軽減されます。

⑤ 子どもに“つながっている安心感”が生まれる

支援する大人同士が連携していることは、子どもにとって「どこにいても自分をわかってくれる人がいる」という感覚につながります。
この一貫した安心が、子どもの心の安定と自己肯定感の育成につながります。

では、どうやって連携するの?

● パターン1:保護者が橋渡し役になる
まずは保護者から「放デイを利用しています」と学校に伝えることから始まります。
学校から放デイに連絡がいったり、放デイから学校へ連絡帳や支援計画を共有したりと、保護者の一声がきっかけになることが多いです。

● パターン2:関係機関が集まってケース会議
学校・放デイ・保護者・相談支援専門員・医療機関などが集まり、子どもを中心としたケース会議を行う場合もあります。
こうした場では、それぞれの立場からの情報が共有され、より具体的な支援方針が検討されます。

● パターン3:連絡帳やアプリを活用して日常的なやりとり
最近では、ノートやICT(連絡アプリ等)を活用して、学校と放デイの簡易な情報交換をしている施設も増えています。
小さな情報のやりとりが、信頼関係と連携の土台になります。

※ 注意点:連携には保護者の「同意」が必要です
支援者同士の連携には、必ず保護者の同意が必要です。
「放デイに情報を伝えてもいいですか?」などと確認されることがありますが、保護者の同意があることで、支援の道が一気に広がります。
保護者が“連携の架け橋”になることが、何よりも大切なのです。

まとめ:連携で、“子どもの支援が一本の道”になる

放課後等デイサービスと校内教育支援センター。
それぞれの場で、子どもは安心し、少しずつ力をつけています。
しかし、支援が“点と点”のままでは、子どもの成長はバラバラな方向に進んでしまうかもしれません。

だからこそ、学校と福祉が手を取り合い、“線としてつながる支援”が求められるのです。
それは、子どもが進む道を見失わないように、私たち大人が“支援の道しるべ”になるということ。

子どもが安心して歩んでいけるように——
“教育”と“福祉”が手を取り合うことは、これからの子ども支援にとって、欠かせない視点なのです。

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