子どもの発達に対する保護者の思いとは??放デイに通う保護者の気持ち

発達障害の児童の保護者は、子供の成長や将来を案じて福祉サービスを利用していると思いますが、自分の子供に対してどんな気持ちで放課後等デイサービスを利用しているのでしょうか?

発達障害のある子どもを持つ保護者が放課後等デイサービスを利用する際には、さまざまな感情が交錯しています。子どもの成長や将来を案じる一方で、日常生活の中で直面する課題に対する支援を求め、専門的なケアを受けられる場としてこのサービスを選んでいます。保護者の気持ちは、安心感、期待、不安、そして時には葛藤を伴うものです。発達障害の子どもを持つ保護者が放課後等デイサービスを利用する理由や、その背後にある感情は、子ども一人ひとりや家庭の状況によって異なりますが、いくつかの共通する思いがあります。

目次

1.安心感と専門的なサポートへの信頼

放課後等デイサービスを利用する最大の理由の一つは、保護者が子どもの安全と成長に対する「安心感」を得られることです。発達障害のある子どもは、特に社会的スキルやコミュニケーション、自己管理などの面で支援を必要とする場合が多く、通常の放課後活動だけでは十分なサポートを受けられないこともあります。専門的な知識を持ったスタッフが子ども一人ひとりに適切な支援を提供することで、保護者は「自分だけではできない支援がここではできる」と感じ、安心して子どもを預けることができます。

特に、学校では十分に対応できない課題に対して、放課後等デイサービスが補完的な役割を果たしてくれるという期待があります。学校では学習や集団生活に焦点が当てられることが多いですが、デイサービスではより個別に焦点を当てた支援が可能です。このことにより、保護者は子どもが必要なスキルを獲得し、将来に向けて少しずつ自立する力を身につけていけるという希望を抱いています。

2.子どもの成長への期待と不安

保護者は、子どもの成長を心から願っていますが、その一方で「将来どうなるのだろう」という不安も常に抱えています。発達障害を持つ子どもが成長するにつれ、保護者は学校生活や社会生活での適応、将来の自立に対して大きな懸念を抱くことが一般的です。この不安を少しでも軽減するために、専門的なサポートが提供されるデイサービスは大きな魅力となっています。

例えば、放課後等デイサービスでは、子どもが社会的なルールや他者との関わり方を学ぶ機会が多く設けられています。これは、発達障害の特性に合わせた指導方法であり、保護者にとっては「自分の子どもも成長できるんだ」という希望を与えてくれます。同時に、こうした支援が子どもの社会参加や将来の職業生活に役立つことを期待しています。

しかしながら、期待が高まる一方で、保護者は「これで十分なのか」という疑念や不安を感じることもあります。子どもがどれだけサービスを通じて成長できるかは、個々の子どもの発達ペースによります。そのため、子どもの進捗が思うようにいかないとき、保護者は自分の選択に不安を抱くことがあります。このような不安は、サービスが子どもの発達に与える影響が見えにくい時や、結果がすぐに現れないときに特に強く感じられるかもしれません。

3.保護者自身の休息と自己ケア

発達障害のある子どもを育てることは、精神的にも肉体的にも大きな負担がかかることがあります。日常的に子どものサポートを続けている保護者にとって、放課後等デイサービスを利用することで、一定の「休息」を得ることができます。この休息は、単なるリフレッシュではなく、保護者が自分自身の健康を守り、家族全体のバランスを保つために重要です。

保護者が心身のエネルギーを回復させることで、子どもとの時間をより充実させたり、他の家族との時間を大切にできたりすることもあります。また、デイサービスの利用は、保護者が自分の仕事や社会生活を維持する手助けともなります。これは特に、フルタイムで働く保護者にとっては大きな助けとなり、家庭と仕事の両立を可能にするための重要な支援です。

一方で、保護者は「自分が休んでいる間、子どもはちゃんと大丈夫だろうか?」という罪悪感や不安を感じることもあります。特に、子どもがデイサービスで適応できているか、楽しんでいるかどうかがわからないと、心配が増えることがあります。しかし、デイサービスの利用が子どもにとって有益であり、家庭全体の生活の質を向上させるものであるという理解が深まることで、こうした不安も少しずつ和らぐことが多いです。

4.自分の役割に対する葛藤

放課後等デイサービスを利用する保護者は、自分の役割に対しても葛藤を感じることがあります。「自分がもっと頑張れば、サービスを利用しなくてもよいのではないか」「自分が子どもの発達をしっかりとサポートできていないのではないか」といった自責の念が湧くこともあります。

しかし、実際には、保護者が全ての支援を一手に担うことは難しいことです。専門的な知識や技術を持つ支援者が関わることで、より質の高い支援が提供される可能性が高まり、結果的に子どもの成長にとってもプラスとなります。保護者がこのような専門的な支援を活用することは、子どもの福祉を第一に考える上で、賢明な選択であると言えるでしょう。

実際に聞かれる保護者様の声

★実際に現場で聞かれる保護者様の声★
利用時に対する保護者様のお声も紹介させていただきます。

・小学5年生 通所歴5年 Aくんの保護者様から
場面での切り替えが苦手、言葉遣いが丁寧になってほしい。
・小学6年生 通所歴3年 Aくんの保護者さまから
様々な経験を通して得意を伸ばし、苦手な事への挑戦する心をつけてほしい。
我慢ができなくて、些細な事でも他児ともめてしまい、泣いてしまう。
・小学4年生 通所歴半年 Ⅿくんの保護者様から
落ち着いた行動ができるようになってほしい。決めつけ癖、話したいことを一方的に話す、独り言が多く、交友関係がうまくいかない。
・小学5年生 通所歴5年 Tくんの保護者から
普通級での適応、学業、良好な交友関係を築く力をつけてほしい。
・小学2年生 通所歴2年 Tくんの保護者様から
人との距離が近い。しつこくしてしまう、適切な距離感の定着。
・小学2年生 通所歴2年 Tくんの保護者様から
運動での発散。自分に自信を持ってほしい。人見知りの為、自分から他人に関わるようになってほしい。
・小学3年生 通所歴2年 Sくんの保護者様から
親から離れることが苦手。1人でできるという自信を持ち、自立してほしい。順位がつくものの受け入れ、「みんなでやる」を身に着けてほしい。
・小学2年生 通所歴2年 Yくんの保護者様から
言葉遣いの悪さ、対人距離が近い、馴れ馴れしい、相手の気持ちを考える力をつけてほしい。
・小学3年生 通所歴2年 Ⅿくんの保護者様から
他児とのかかわりの中でちょっかいに対するスルースキルの定着。長時間の着席が苦手。
・幼稚園年長 通所歴1年 Sくんの保護者様から
感情の波の差を縮めてほしい。小学校進学に向けて長時間の着席や苦手なことに対してまずはやってみるの気持ちを持ってほしい。
・小学3年生 通所歴3年 Tくんの保護者様から
感情のコントロールができるようになってほしい。
・幼稚園年少 通所歴半年 Tくんから保護者様から
言われたことができるようになってほしい。2語文が言えるようになってほしい。
・小学3年生 通所歴3年 Hくんの保護者様から
与えられた課題に対する切り替え、周りに合わせる力の定着。
・小学6年生 通所歴5年 Yくんの保護者様から
感情のコントロールができるようになってほしい。穏やかに1日を過ごせるようになってほしい。他児とうまくコミュニケーションをとってほしい。
・小学5年生 通所歴5年 Hくんの保護者様から
感情のコントロールと、他児とのコミュニケーションスキルの定着。楽しくなった時の心のブレーキ。学習への集中力。
・小学4年生 通所歴2年 Rさん(女児)の保護者様から
話を聞く、落ち着いて読む力、物にあたらないようになってほしい。
・小学2年生 通所歴1年半 Ⅿさん(女児)の保護者様から
学習能力よりも身辺自立、人の関わり方、生きていく力の定着。
・中学1年生 通所歴7年 Ⅿさん(女児)の保護者様から
自分に自信を持ってほしい。分からないことを分からないと言えるようになってほしい。
・小学5年生 通所歴2年 Sさん(女児)の保護者様から
自分の意思を伝えられない。友だちが少ない。

ここまで挙げさせていただいた通所に対する想いはほんの一部です。
保護者様のお子様に対する願いや、お子様の課題は様々でありますが、
多く挙げられるているのが

・気持ちと時間の切り替え
・感情のコントロール
・他人とのかかわり方

などが多く挙げられているように感じます。
以上のような課題は普段の生活や学校生活の中でとても必要な力だと思います。
その必要な力を少しでも身に着けてほしいという想いを抱えている保護者様が多くいらっしゃいます。
放デイ利用を考えている方や、子育てやお子様の課題に悩んでいる方の参考になればと思います。

まとめ

発達障害のある子どもを持つ保護者が放課後等デイサービスを利用する際には、安心感、期待、不安、自己ケア、そして自分の役割に対する葛藤など、多くの感情が関わっています。デイサービスは、子どもの成長を支えるための重要な支援であると同時に、保護者自身の心身の健康を維持し、家庭全体のバランスを保つための大切な手段でもあります。

放課後等デイサービスの利用は、子どもと保護者双方にとって、より豊かな未来を築くための一つのステップであり、家庭と社会が協力して子どもの成長を支えていく重要なツールであることは間違いありません。

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